留学

ミュンヘン工科大学 (TUM) での最初の半年を振り返って

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こんにちは。

ドイツに留学中の大学院生、やま (詳細プロフィールはこちら) です。

ドイツのミュンヘンに来てから半年が経ちました。そこで今回は、この半年のドイツ留学生活を振り返っていきたいと思います。

この記事でわかること〇 ミュンヘンでの一ヶ月の生活費

 

〇 ミュンヘン工科大学の授業料や試験制度について

 

〇 ミュンヘン工科大学の修士課程で学んでいること

ミュンヘン工科大学の簡単な紹介

ミュンヘン工科大学 (以下TUM) は、ドイツの名門工科大学9校 (TU9) のうちの1つです。また、TUMは世界大学ランキングでも常に100位内に入っており、国際的にみても非常にレベルの高い大学として位置づけられています。

TUMの主なキャンパスは、メインキャンパス (Main campus) とガーヒンキャンパス (Garching campus) の2つです。メインキャンパスはミュンヘンの中心地にあります。(私はメインキャンパスに通っています。) ガーヒンキャンパスの建物の中には、滑り台があります。

ミュンヘンでの留学生活

一ヶ月の生活費

私の一ヶ月の生活費は約700€です。他の学生にも聞いてみたところ、700~800€ と返答した人が多かったです。TUMでは学費がほとんどかからないため、生活費さえ心配しておけば大丈夫です。(TUMの学費に関しては、後で詳しく説明します。)

以下、私の生活費の詳細です。

支出 単位 [€]
住居費 480
食費 80
交通費 33
通信費 17
保険料 91
合計 701

交通費=半年の学生定期券の値段を月割にしたもの
ちなみに、ミュンヘンの学生定期券を持っていると、電車 (U-Bahn、S-Bahn)、路面電車 (trams)、バスがすべて乗り放題になります。(学生証と併用)
通信費=国営放送の受信料 (家にテレビがなくても払わなければならない。)
保険料=AOKの保険料

ミュンヘンの住宅難に関して

ミュンヘンでの部屋探しは困難とよく言われます。私が聞いた話によると、ひとたび部屋の情報がインターネット上に掲載されれば、一夜で30人以上が連絡するそうです (笑)。私は6ヶ月部屋探しをした末、やっとよい物件に巡り合えました。

学生であれば、学生寮に住むという手があります。(Studentwerk という団体が学生寮をたくさん運営している。)しかし、どの学生寮も入居希望者であふれかえっているため、応募してから最低半年は待つことになります。場所によっては、2年待ちというところもあります。ただし、交換留学生には優先的に部屋が割り当てられます。

一週間の時間割

朝8時から始まる1限の授業が、週に3つ (学期の途中から4つ) ありました(笑)。授業間の休憩時間は15分です。明確な昼休みはありません。そのため、朝8時から昼の3時ごろまでずっと授業ということもあります。(私が以前通っていた日本の大学には、昼休みが1時間あったのですが…)土日は日本と同じように授業なしです。

授業内容、宿題、一日の勉強時間、期末試験

TUMの授業の範囲は広くて深いです。気を抜くとすぐに授業についていけなくなります。私は授業時間を含め、1日7~8時間は勉強していました。

私が受けた授業では、宿題はほとんど課されませんでした。学期を通して、プログラミング (C言語) の課題が1つあっただけです。また、出席点のようなものは一切ありませんでした。

TUMの期末試験は、制限時間に対して問題数が多いという点で難しいです。手書きの公式集を持ち込める場合がありますが、その分試験の難易度は上がります。

アルバイト

ドイツでは、学生ビザでも働くことができます。大学が提供するアルバイト (研究の手伝いや授業支援など) であれば、月に200~300 € ほど稼げます。また、大学を半年休学して、長期の有給インターンシップをすることも可能です。

私の個人的な経験ですと、つい先月、学会 (GAMM, March/2018) の運営を手伝いました。時給は 13 € 超 (約1800円)。(保有する学歴によって時給は多少変わります。) 具体的な仕事内容は、会場の設営と片付け。勤務時間の半分はやることがないため、従業員用のテント内でコーヒーを飲んだり、サンドイッチを食べたり… 正直、とても楽で稼げる仕事でした (笑)。

ミュンヘン工科大学 (TUM) の良いところ

授業料が無償

TUMの授業料は無償です。(ドイツの国公立大学は授業料が無償。)大学側に払うお金は、social fee (共済費:半年ごとに134.5€) だけです。それだけでなく、授業で扱う教材 (パワーポイントなど) は Moodle というサイトを通じて配布されます。また、教科書や参考書は基本的に大学の図書館にあります。

セミナー・チュートリアル制度

TUMでは通常授業のほかに、セミナー・チュートリアルという補講授業があります。セミナー・チュートリアルでは、1学年上の先輩もしくは PhD生が講師となって、期末試験を想定した問題をとり扱ってくれます。Pythonや MATLAB、C++ といった、プログラム言語を練習することもあります。セミナー・チュートリアルに積極的に参加することで、より実践的な知識やスキルが身につきます。

試験登録制度

TUMでは、自分が受けたい試験を自分で登録することになっています。言い換えれば、自信のない科目は受けなくてもよいわけです。また、試験当日に受験を辞退することもできます。その場合は、5.0という評価をもらうことになります。(ドイツの大学では、1.0が最高合格点で4.0が最低合格点です。)

ミュンヘン工科大学の修士課程で学んでいること

私の専攻は計算力学 (Computational Mechanics) です。TUMの計算力学コースでは、学生は主にシミュレーション関係の科目を学びます。(有限要素法や流体シミュレーション、連続体力学など) 授業はすべて英語で開講されます。同じ専攻内には、日本人学生はほかに1人もいません。

最後に、私がこの半年で受講した科目とその内容を簡単にまとめておきます。(日本語の専門用語がわからなかった箇所は英語のままにしてあります。)

〇 Advanced Fluid Mechanics (応用流体力学)

授業で扱った内容:工学系の学部生が習う流体力学の範囲 (ベルヌーイの定理、ナビエストークスの式、次元解析など。Introduction to Fluid Mechanicsという本でカバーできる。) Diffusion and time scales, Laminar boundary layers (Blasius solution), Turbulent flow, Instability

〇 Introduction to Finite Element Method (有限要素法入門)

授業で扱った内容:剛性マトリクス、境界条件、対象条件、温度による影響、Gauss integration, Singularities, Iso-parametric space, Shape functions, Jacobian

〇 Computational Material Modelling

授業で扱った内容:弾性・塑性力学 (応力テンソル、モールの応力円、主応力空間、加工硬化、ミーゼス応力、トレスカ応力)、粘弾性・粘塑性力学 (creep, relaxation, Maxwell model, Kelvin-Voight model)、複合材料  (Rule of mixtures, Tsai-Hill criterion, Honeycomb structure, Open-cell foam)

〇 Computation in Engineering

授業で扱った内容:C++ の教科書一冊 (C++ and object-oriented numeric computing、pointer, reference, function, class, virtual function など)

〇 Continuum Mechanics (連続体力学)

授業で扱った内容:Summation convention, Covariant and Contravariant base vectors, Metric tensor, Jacobian, Stress vector, Principal stresses, Christoffel symbols, Stress tensor, Strain tensor, Energy principles

〇 Theory of Plates (プレート論)

授業で扱った内容:

Plates in membrane (平面応力と平面ひずみ、エアリーの応力関数), Plates in bending (Reissner/Mindlin theory、Principle of virtual work、Gauss integration、Transverse shear locking), Singularities in FEM, Yield-line methods


日本の大学と海外(ドイツ・アメリカ)の大学の一般的な違いに興味がある方は、以下の記事をご覧ください。

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