インタビュー・対話

日本の大学から海外の大学院に進学された、清水さんにインタビュー

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今回は、日本の大学からドイツの大学の修士課程に進学された、清水さんにインタビューしてきました。

清水さんの経歴

やま

まずはじめに、清水さんの簡単な自己紹介をお願いします。

清水さん

はじめまして。清水泰之と申します。生まれは京都、育ちはほとんど静岡県の三島市で、県立韮山高校という高校を卒業してから、一年浪人した後東京大学に進学しました。

大学では機械工学を学び、卒論執筆の際には構造力学、計算力学を専門とした研究室に所属していました。趣味はサッカーで、プレイすることも観戦することも大好きです!

高校・浪人時代

やま

東京大学に行こうと思われたきっかけと浪人時代を振り返ってもらえますか。

清水さん

僕は高校生になるまでどこの大学に入るのか真剣に考えたことはありませんでしたが、高校2年生の時に当時の担任の先生との進路面談で「東大を目指してみよう」と言われたのをきっかけに徐々に意識し始めました。

その後、友人に連れられて行った東京大学のオープンキャンパスで高校生向けの講義を受けた際に刺激を受けました。東京大学という学問の中心地で色々な人と関わり、学んで行くことは素敵なことだろうなと思い、漠然とした意識がはっきりした目標に変わりました

また、大学でもサッカーを真剣にしたいなと思っていたため、人工芝のグラウンドが学内に二つあるなどスポーツの環境が整っている所も僕にとって魅力的でした。

浪人時代は静岡から東京の予備校に通いました。友達作りに失敗したので(笑)、毎日勉強しかしませんでしたね。それで合格したから結果オーライですけどね (笑)。

大学時代

やま

東京大学では、サッカー部に所属されていましたよね。大学で勉強と部活を両立されるのはむずかしいことだと思います。文武両道のためにどんな努力をされていましたか。

清水さん

東大のサッカー部は週6日の活動、筋トレも週2か3という感じでかなりハードなスケジュールでした。また、難しい授業も多かったので、生活はいっぱいいっぱいでしたね。

部活動の予定は変えられないので、勉強の時間をどうマネジメントするか、ということが大事でした。そこで、高校の時に身につけた「与えられた課題だけは必ずやるようにする」という習慣を大学でも続けました。それに加えて、周りの飛び抜けて頭のいい人たちに勉強を教えてもらったりする事で、なんとかこなしていきました (笑)。

やま

東京大学での面白エピソードなどはありますか。ざっくばらんにお願いします (笑)。

清水さん

面白エピソードですか (笑)。

東大では最初の2年間は全員が教養学部に所属し、理系と文系の中でそれぞれ三つのグループに分けられ、一般教養を学びます。例えば理系で言えば、工学をメインに学ぶ理科一類、農学や薬学をメインとする理科二類、医学を学ぶ理科三類、という感じに分けられます。その中でもさらに、同じ授業を一緒に受ける高校でいうクラスにあたるものが存在します。

そんな中、僕のクラスにはたまたまなのか、割と特殊な人たちが集まっていて、2年時に起業してそのまま会社を軌道に載せてしまったため永遠に休学している人とか、医学部なのに司法試験に受かってテレビに沢山出ている人とか、大学を辞めてYoutuberになった人とか、わけわからん人が沢山いましたね (笑)

ただ、基本的には東大生は普通の人が多いです。最近はテレビの影響もあってか、「東大生ってみんな変人なの?」と聞かれることが多くなりましたが、東大生はみんなが思っているよりぶっ飛んでいません (笑)。

やま

専攻は計算力学ですよね。そうなった経緯を教えてください。計算力学の魅力などがあれば、それについても教えてください。

清水さん

僕はもともと宇宙工学の分野、特にいわゆる重工業分野で働きたい、と考えていたので、ハードウェアを扱う分野の研究がしたいなと思っていました。その一方で、非常に早いスピードで進歩していくコンピュータ技術とITにも触れられるような仕事をしたいとも考えていました。

そんな中、実際に存在する「もの」の挙動を、計算機を用いてPC上で解明しようとする学問である計算力学に触れ、ハードとソフトの統合分野といえるこの分野は僕のモチベーションを満たすと考えました。僕が学部時代に在籍していた研究室ではJAXAとの共同研究をさせて頂くこともできたため、非常に幸運でした。

計算力学は、コンピュータの性能が向上し、計算能力が飛躍的に上昇したことから可能になった学問です。解析手法が確立されれば、例えば車の衝突実験などをPC上でシミュレーションでき、設計の効率化・省コスト化が図れます。また、実際には目で見ることのできない、分子レベルでの現象を表現することもできます。実際の現象をPC上で正確に表現でき、それを実際の設計に生かすことができるという所が魅力だと、僕は思っています。

日本の大学を卒業してドイツの大学の修士課程へ

やま

日本の理系学生の多くは、大学を卒業すると同じ大学の院に進学しますよね。そういった風潮があるなかで、ドイツの大学の修士課程に進学しようと思われた理由はなんですか。

清水さん

大学3年の夏、フランス・トゥールーズにあるAirbus社をはじめとした企業や大学、研究機関をめぐることのできる、大学のプログラムに参加したのがきっかけでした。そこで見た工場や研究機関の規模やプロジェクトの壮大さは僕の想像のはるか上を行き、日本の外にはこんな世界があるのかと驚きました。また、現地の社員や教授の方々の話を聞くと、やはりエンジニアや工学を研究する人に対する社会からの評価が日本に比べて高いなと感じました。また、ワークライフバランスを大事にした生活文化が浸透しているところも僕にとっては魅力でしたね。

同じように大学4年時にはアメリカのBoeing社や複数の大学を回りました。もちろんアメリカは最先端の研究を数多く行っていますが、国籍の多様性に対して比較的不寛容であり、かつ各大学や研究機関の国全体としてのネットワークが意外と整備されていないと感じました。あと、意外と裏でめちゃくちゃ忙しそうにしていましたし、5年の博士課程のはずが7年目に突入している人も見ました。多分、博士課程に関しては、アメリカは日本以上にブラックな気がします (笑)。

欧州訪問とアメリカ訪問の経験、二つを比較した時、僕にとってはヨーロッパで学びたいという気持ちが勝りました。そこでヨーロッパの大学院を探した所、ドイツの公立大学は授業料が基本的に無償か、非常に安いことがわかりました。これはどの国籍の学生にも適用されます(2018年現在)。それ自体も魅力的ですが、僕はそのシステムを知った時、ドイツを「若者に投資し、海外からの優秀な人材を受け入れるシステムが整っている国」なのだな、と感じました。そういった国のシステムと文化の中で学ぶことは自分にとって必ずプラスに働くだろうと感じました。さらに、ミュンヘン工科大学(TUM)の周りにはAirbusやDLRといった航空宇宙系の企業や研究機関だけでなく、BMWやSIEMENSといった欧州を代表する企業も多く存在し、そういった所との共同研究が多いところも良いですね。

また、私事ですが、大学の先輩にTUMに留学していた先輩がいて多くのアドバイスを頂きました。また、僕の父の会社の支部がミュンヘンにある為、父の出張時には時々会うことができますし、何といってもここにはバイエルン・ミュンヘンという僕のようなサッカーファンなら誰もが憧れるチームが存在します。こういった細かい偶然もあり、僕はTUMに行く運命なんだ、と勝手に考えていました(笑)。

それに加えて、僕は入学が決まってからやまさんという同じ専攻の一つ上の先輩がいる、という事を知ったのですが、日本人の正規留学生自体がTUMの中でも珍しいですし、多様な学部と専攻がある中で同じ専攻の後輩になれたことも、やっぱり運命なのかな、と感じますね(笑)

やま

ちょっと恥ずかしいけど、ありがとうございます (笑)。修士課程修了後はどうされますか。

清水さん

今は漠然とした望みですが、まずは研究で突き詰められるところまで突き詰めてみたいとは思います。ですので、Ph.D.の取得を考えています。具体的には、計算力学を用いた宇宙機の設計最適化を研究テーマにしてみたいと考えています。

ただ、こちらの学生は日本と異なり進路に対して非常に柔軟です。今僕が所属している専攻の学生も、その多くが学士取得の段階で一度社会に出て、就業経験を積んでから修士課程に来ています。なので、僕も修士卒業後は一度こちらで働いてみて、その後、身の振り方を決めてもいいのではないかと考えています。また、ドイツでは社内でPh.D.を取得できる制度を取っている会社も多く、そういった制度を使ってPh.D.を取得できればそれが最も理想的な道ですね。そのためには相応の実力と運が必要なので、今後の修士課程で思いっきり理想を追いかけようと思っています。

また、キャリアとは別の話になりますが、僕はやまさんや友人、学部時代の教授など、多くの人からサポートと応援をしていただきました。また、家族の皆は僕の決めた道に一つも文句を言わず送り出してくれました。皆さんから頂いた恩を少しずつ返していくためにも、ミュンヘンのみならずドイツの大学院、ヨーロッパの大学院を目指す人たちに多くの助言と支援をしてあげられる人間になりたいです。

清水さんからのメッセージ

清水さん

僕は常に、「過去の自分が今の自分を尊敬できるかどうか」という行動指針を持って行動しています。その行動指針に照らし合わせた結果が僕にとっては今回の留学でした。ですが、その道はもちろん人それぞれですし、「留学するかしないか」は大事なことではないと思います。自分の人生において何が正解なのかを探しながら、自分に対して胸を張って生きていけるように、みんなで一緒に進んでいきましょう!

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