中国人学生と友達になってみて思うこと [統計による議論もあります]

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今回の投稿では、タイトルにある通り、中国人学生と友達になってみて思うこと、そこから見えてきたことをまとめていきます。

ここでいう中国人学生とは、本土(主に都市部)出身の学生のことを指し、台湾と香港出身の学生は除きます。それから、この記事における体験談は、主にアメリカとドイツでの出来事になります。

中国人学生の日本文化に対する関心

ぼくが中国人学生と話していてよく驚くのは、彼らのうちの多くが日本のポップカルチャー(アニメ・漫画、流行りの音楽・ドラマ)に関心を持っていることです。

彼らにとって、YouTubeで日本のアニメを見たり、Spotifyで日本の歌(最近では米津玄師など)を聞いたりするのはわりと普通なことのようです。

日本語を学んでみたいと思っている学生も少なくありません。中には、東野圭吾をはじめとする、日本人作家のことが好きな学生もいます。

このような感じで、中国人学生の多くは日本についてある程度関心を持ってくれています。

それにくらべて、ぼくは中国のポップカルチャーについて何ひとつ知りません。普段ニュースで見聞きすること以外、中国に関することはほとんど何も知らないのです。

ぼくは中国人学生が日本のポップカルチャーについて話をしてくれるたびに、うれしく思います。その一方で、中国のポップカルチャーについて何も知らない自分がものすごく情けなくなります

今この記事を読んでいる方の中にも、ぼくと同じような気持ちを抱いている人がいるのではないでしょうか…

中国人学生は金持ち!?

海外に来ている中国人学生には、一般的な日本人の感覚からすると、お金持ちが多いように感じます。(親がお金持ちの学生が海外に出ることができる、と言ったほうが正確かもしれません。)

たとえば、費用が高いといわれるアメリカの大学に、毎年多くの中国人学生が進学しています。その数は今や32万人にのぼります。

ちなみに、アメリカの州立大学に正規生として通うとなると、年に500万円(生活費含む)はかかります。そして、彼らは学費を払った上で、100万円以上する車を買っていたりします…

もう1つぼくが気づいたことは、ビジネスマインドを持った中国人学生が少なくないということです。

たとえば、ぼくの友達は中国の富裕層相手にブランド品を送るビジネス海外の大学(院)に進学したい人のためにエッセイを添削するビジネスをしています。とくにブランド品を送るビジネスは儲けが良いらしく、月に2000€ほど稼いでいると聞きます。

(ただし、このブランドビジネスはかなりグレーゾーンです。きちんとした手法を使っていないのであれば、最悪の場合、母国に強制送還されるかもしれません。)

中国は人口が多いので、そういったビジネスが簡単に成立します。そして、チャンスをものにしている学生が実際にいるわけです。そういった学生は、自分の周りでビジネスに成功した人のことを見習っているのかもしれません。

中国の学生の層の厚さについて

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結論から言うと、中国の学生の層はものすごく厚いです(次のセクションで学位取得者数の統計を載せています)。

たとえば、2015年の山東省における大学受験申込者は約70万人で、そのうち北京大学に入学できたのは151人(確率にして0.02%)だったそうです。

この事例からわかるように、中国の大学受験は日本のそれとは比べ物にならないくらい厳しいものです。仮に大学に入れたとしても、今度は職を探す時に熾烈な争いが繰り広げられます(中国の新卒者数は2016年で760万人)。

このような事情があってか、毎年中国から多くの学生が海外に出ていきます。ここでは、主に2つのパターン(大学から留学するか、院から留学するか)を検証していきます。

受験がうまくいかず、海外の大学に進学する学生

前述したように、中国の受験はとても厳しいものです。清華大学や北京大学といった超有名大学に入れるのは、ほんの一握りの学生だけです。

受験がうまくいかなかった学生たちにとっては、「海外の大学に進学する」という選択肢が現実的になります。(もちろん、中国都心部の物件価格や家賃が高騰しているといったほかの理由もあるかと)

たとえば、アメリカのコミュニティカレッジであれば、TOEFLで一定の点数さえとってしまえば簡単に入学できます。そこでよい成績をおさめれば、地元で有名な州立大学などに編入することができます。

ちなみに、ぼくの知り合いはその方法でカルフォルニア大学バークレー校の数学科を卒業しました。彼曰く、「アメリカの大学に進学したのは、中国で受験に失敗したから」だそうです。

日本に来る中国人学生もたくさんいます。日本学生支援機構の統計によると、2018年度の中国人留学生は約10万人です(この統計には交換留学も含まれる)。

その背景には、アメリカやイギリスよりも日本のほうが地理的に近く、大学の授業料と生活費が安い、といった理由が考えられます。また、漢字をたくさん知っている中国人からすると、日本語検定(日本に留学するのに必要)はわりと簡単なようです。

中国の大学を卒業して、海外の大学院に進学する学生

中国の大学を卒業して、大学院から留学をする学生もいます。

たとえば、ぼくが今所属している修士のプログラム(ミュンヘン工科大学・ドイツ)には、中国人の学生が5人います(プログラム全体で40人ほど)。彼らは全員、中国の大学を卒業してからミュンヘン工科大学(ドイツの名門工科大学の1つ)に来ています。

ぼくが彼らと実際に接してみて思ったことは、みんな優秀だということです。彼らの成績は、日本のGPAに当てはめるなら、3.0前後あります(平均は2.5ほど)。中には、3.5とか3.7という学生もいます。しかし、そんな彼らでも中国の有名大学出身ではありません

多少語弊はあると思いますが、東大や東工大でGPA3.0以上取れるような学生が、本国では最上位の大学を出ていない、そんな感じです。

大学の成績がすべてではありませんが、中国人学生の層がものすごく厚いことは否定しようがありません

参考資料

参考 米国留学生の3分の1が中国人である理由東洋経済オンライン 参考 卒業=失業?新卒800万人の中国就活事情日系ビジネスオンライン 参考 外国人留学生在籍状況調査結果日本学生支援機構

中国と日本の学位取得者の数

ここでは、中国と日本の学位取得者の数に焦点を当ててみます。そして、そこから見えてくることについて、少しだけ議論してみます。

中国と日本の学位取得者の数[単位:人]
中国日本
学士号630万56万
修士号?7万6500
博士号3万4000(科学系のみ)1万6400

統計年度:日本は2013年。中国は2014年と2016年。

参考 平成25年度学校基本調査文部科学省 参考 「高等教育」の統計データ一覧Global Note

この統計だけ見ると、日本は中国にボロ負けしています。

学位取得者の数だけを切り取って議論はできませんが、630万とう数字は決して無視できません。これだけの数がいれば、その上位層はものすごく優秀なはずです。そして、そうした優秀な人材が中国企業に就職していくわけです。

それだけでなく、海外留学をした学生が中国に戻って就職する、という傾向も近年では見られます。ちなみに、アメリカで科学系の博士号を取得した中国人は、2012―2015年の累計で1万9000人います。

中国のことを下に見ている日本人は多いかもしれませんが、ぼくは中国に脅威しか感じていません

というのも、Huawei(ファーウェイ)という電子機器の会社は、同業他社である日本企業をあれよあれよという間に抜き去ってしまいました。最近では、ダイソウの模倣会社であるメイソウがものすごい勢いで成長しています。

今話題のAIや5Gに関しても、中国はアメリカと覇権争いを繰り広げています。近い将来、ほとんどの業界は中国企業にひっくり返されてしまうのではないか。そう思わせるほどに、今の中国の勢いはものすごいです。

中国人学生と友達になって気づいたこと[まとめ]

ぼくが中国人学生と友達になって気づいたことは主に3つです。1つ目は、日本のポップカルチャーに興味を持っている人が以外と多いこと。2つ目は、優秀な学生が多いこと。3つ目は、気の合う人(話の内容やテンポが合う)が多いことです。

以前のぼくはテレビやネットなどの影響で、中国人=反日、モラルがなっていない、といったイメージを持っていました。しかし、彼らと実際に友達になったことで、そうしたイメージが払拭されたわけです。

もちろん、テレビやネットが取り上げるようなモラルがなっていない人はいます。でもそれがすべてではないです。本当に大切なことは、自分の目で実際に確かめることではないでしょうか